ボドゲミーティング12/23
こんにちは、ぐうのねチームのことり寧子です。前回の更新からずいぶん間が空いてしまいましたが、ボドゲ制作ミーティングの様子を書きました。
月1~2回ペースのミーティングは、テストプレイ・ルール改善・デザインチェックがメインなのですが、今回は立体物担当のあつしさんによるスタートマーカーの作り方講座がメインでした!あつしさん以外は立体物制作の経験がないので、どんな手順で作っているのか、メンバーで負担を分け合えるのはどんな工程か、などを皆で把握するための講座でした。
あつしさんが持ってきてくれたサンプルたち。左端の白いものが原型(マスター)、上半分のホワイトベージュのものが複製(未加工)、他は着色したものです。この中から実際にリリースするときどの仕上げにするか、作業工程を確認しながら検討していきました。
1.シリコンで型取り
原型から複製用の型をとる作業です。下敷きに両面テープを貼って原型と型取り用のブロック枠を固定。硬化剤を混ぜたシリコンを流し込んでいきます。気泡がのこらないように注意。
固まるまで8時間ほどかかるシリコンなのでミーティング中には完成しませんでしたが、あつしさんが持ってきてくれた完成済みのシリコン型はこんな感じ。
2.レジンでスタートマーカーを複製
写真はありませんがシリコン型に離型材をスプレーしてから作業開始。レジンのA液・B液をよくまぜ、シリコン型に流し込んでいきます。型のくぼみの端に気泡が残っていることがあるので、つまようじで気泡を取り除きました。
つぎに100均で手に入るやわらかめの下敷きで型の上から押さえます。(この下敷きだとレジンがくっつかないそうです)本などで全体を均等に押さえるといいとのこと。硬化が始まると透明だったレジンが白く不透明になっていきます。中心からじわーっと広がっていく様子が見えて、面白い!
余裕を見て10分くらい放置して、シリコン型から取り出しました。シリコンはゴムのようにやわらかいので、レジンをポコンと取り出す瞬間は爽快!いちばん楽しい工程でした。
型から取り出したレジンは、紙やすりでバリをとったり表面をつやを消したりして整え、離型材を中性洗剤で洗い流します。
3.塗料を混ぜたレジンで複製
色のつけかたのひとつとして、レジンにあらかじめ塗料を混ぜておく方法もあるとのことで、赤いクリア塗料を混ぜてみました。血のような赤ですが血ではありません。パンナコッタにラズベリーソースがけしたようにも見えてきました。じゅるり。
型から取り出したものはこちら。今回作ったのは写真中央のもので、硬化すると不透明になるので白さが加わるのか、濃いめのピンクといった仕上がりになりました。重なっている濃い赤・薄いピンクのほうも同じ塗料を使っていて、濃度をかえたものだそうです。薄いピンク色のはこれまたイチゴチョコレート的で美味しそうな見映えです。この方法は手軽に均一に色がつけられるので、仕上がりは綺麗になりやすいかな。写真ではわかりにくいですが、少し光沢もあり、プラスチックっぽい仕上がりです。
4.レジンの表面につや消しスプレー&着色
紙やすりがけで大体のつやはなくなっているのですが、さらにエアブラシでつや消し剤をスプレーしてから着色するとアンティークっぽい雰囲気になるとのこと。
スプレーしたつや消し剤がじゅうぶんに乾いたら、塗りを開始。茶色い塗料に少し薄め用のシンナーをまぜて、複製したマーカーに筆で塗っていきます。
左の写真:筆で塗るとムラができやすく、均一に塗るのは難しいのですが、今回はアンティーク風の仕上げにするので、ムラはあっても大丈夫とのこと。
中央の写真:茶色い塗料が乾いたら、綿棒にシンナーをつけて、茶色い塗料を拭き取っていきます。拭き取りのさじ加減によって、色を濃いめ・薄めに調整できます。失敗してもやり直しがきくし、この工程もなかなかに楽しい!
右の写真:拭き取りのおわったマーカーたち。4人全員でいろんな拭き取り加減を試してみました。たくさん並べると仕上がりの違いが若干気になる気もしましたが、1点ずつみるとほんとにアンティークな感じで、古いメダルのように見えます。実際のリリース時は1セットに1つ封入なので、たくさん見る機会は制作者くらいしかないかもしれません。
この塗装方法、手順は多いものの難易度が低いので、実際に採用となりそうな感じです。ゲームのアンティークなデザインに合っているのもGOOD。
この茶色い塗料はあまり堅牢性がないとのことで、さらに仕上げとしてつや消しスプレーをする予定です。
5.レジンの表面にエアブラシで着色
最後はいちばん難しい色塗り分けバージョン。チューリップの浮き彫り部分にはエアブラシで着色するので、マスキングが必要。ということで写真の黄色い部分はマスキングテープを貼った状態です。
ただこの方法、デザインカッターでマスキングテープを切っていくのが難しく時間がかかり、赤の部分・白の部分・緑の部分だけがそれぞれ着色できるようにさらに分けてマスキングしなければならず、初回生産分の100個も作業するのが時間的に厳しい…ということがわかり、この塗装方法は一旦なしに。
あつしさんからあらかじめ作り方は聞いていたのですが、実際に作ってみるとその工程の大変さや仕上がりの違いなどがよくわかって、とても有意義なミーティングとなりました。
器具はもともとあつしさんの持っていたものがほとんどなので、材料費は原価に含めて計算におりこんでいます。といっても手間賃はまったく考えていないので、お商売するには向かないやり方なのですけど。趣味のボドゲづくりということで、今回はトコトンがんばってみています。
ミーティングを経て、スタートマーカーの複製と塗装は紅陽さん&ことりで受け持つことになりました。あつしさんにはもう一つの立体コンポーネントに専念してもらいます。
復習をかねて記事にしてみましたが、まったく経験のない方には説明不足でわかりにくい部分があるかもしれません。くわしい作り方は他のサイト様なども参考になさってみてくださいね。
ひとしきり作業を終えるともう夕方に。ボドゲプレイ経験値UPのために軽いゲームを3つプレイして感想など話してみました。
ラブレター/インフェルノ/HANABI 紅陽さん所有。
プレイはできませんでしたが、
チケット トゥ ライド(10周年記念版)
コンポーネントの豪華さが見事でした!特に電車のコマ。雷さん所有。
これらは機会があればまた別の記事に書きたいと思います。